リリカルなのは。といいつつはやてがメイン。
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2008.02.17.Sun プレゼント2作品目。

本当に久しぶりすぎます。
続けてここ書くのは。
しかしこうして素敵SS読むと背骨が砕けるというか
私も何か書きたくなる溜まらんのです。
よい傾向。

2作品目をさっそく載せちゃいますね。
今回ははやフェイです。

ほのぼの。
そんな日常。
あああああぁぁぁ。
もう良い。


『一つ屋根の下で』


 歌が聴こえた。
 それが鼻歌だと気付くのに数秒掛かった。
 ゆっくりと身体を起こす。
 どうやら帰ってきてからいつの間にか寝てしまっていたようだ。
 身体に掛けられていたものが私の動きに合わせて床へと落ちる。
 私が起きたことに気が付いたのだろう、聴こえていた鼻歌が途切れ、
 代わりに明るい声がかけられる。

「あ、フェイトちゃん起きたんか」

 声に合わせてパタパタとスリッパの音が聞こえてくる。

「フェイトちゃん、もうすぐ出来るからちょう待っとってな」

 キッチンから、私服にエプロンを着けたはやてが顔を覗かせていた。

「はやて、帰ってたんだ。起こしてくれたらよかったのに」
「いやな、ソファーで気持ちよさそうに寝とったから起こすのも悪いかな思うてな。
それに、たまにしか見られへんフェイトちゃんの可愛い寝顔も見られたしな」

 そう言うと、はやてはニヤリと少しだけ意地の悪い笑みを浮かべた。
 どうやら私の寝顔で存分に楽しんだようだ。

「よし、後は蓋をしてしばらく置いておくだけや」

 掻き混ぜていた鍋の火を調節し、エプロンを外して歩いてくると、はやては私の隣に
腰掛けた。
 
「シグナムたちは?」
「あの子らは仕事が長引くから帰りはちょお遅くなるそうや」
「そうなんだ…」
「そうや、だから今は私達だけや」

 言いながらはやては、まるで主人に甘える猫のように私に擦り寄ってくる。
 だから私は頭をそっと撫でてやる。

(それだけ?)

 頭を撫でられながら、少しだけ不満そうな顔で私を見上げ瞳でそう訴えてくる
はやてに、内心苦笑しながらその唇に口付ける。
 唇から伝わる柔らかい感触。
 啄ばむ様に何度もキスをする。
 そして、最後は名残惜しむように少しだけ長く、深く。
 触れ合っていた唇が離れる。

「これで満足した、はやて?」
「…うん」

 頷いたはやては私に笑顔を向ける。
 頬を少しだけ赤く染めて、はにかむように。

「でも、もっとや…」
「はやては欲張りだね」
「フェイトちゃんは欲張りな私は嫌いか?」

 上目遣いに私を見るはやてに私は微笑を返す。

「はやてだもの、そんなこと全然無いよ」

 普段、彼女が甘えてくることは少ない。それでも、それは私だけに見せてくれる姿で
もある。
 だから、こうして甘えてきてくれるのは嬉しい。

「はやては私にどうして欲しい?」

 質問の回答は突然のキスで帰ってきた。
 先程とは違い、貪欲に求めてくる口付け。

「ふ…んちゅ…はぁ……はむ…ん……」

 舌を差し入れ、舌を絡ませて私の口内を蹂躙していく。

「…はぷ…はあ……はぁ」

 唇を離し、互いに一つ大きく息を吸い込む。
 それからはやては私を押し倒すと、そのまま馬乗りになり首筋へとキスをする。
 電気が走ったように体がビクリと震える。

「ん…あ…」

 思わず声が漏れる。

「……あかん、もう止められそうもあらへん」

 私も既に限界だった。

「…いいよ、はやて」

 互いの服に手をかける。
 
 
 ガチャリと玄関のドアの開く音が聞こえたのはその時だった。

「ただいま、はやて!」
「ただいま戻りました、主はやて」
「ただいま、はやてちゃん」
「ただいま戻りました、主」
「ただいまですぅ」

 聞こえてくるのは、はやてを守る守護騎士達の声。
 お早いお帰りで。

「おうフェイト、帰ってたのか…ってお前ははやてと何やってるんだ!?リインは見る
な!」
「うわっ、ヴィータちゃん何するです!?」
「……主はやて、仲が良いのは良いのですが、新婚とはいえあまりそう堂々とされると私達がとても居たたまれなくなります…」
「はやてちゃんたちはいつでもラブラブね」
「……」

 リビングへと入ってきた彼女達は、私達の姿を見るなり一部熱い眼差しの混じった呆れた視線を向けてくる。

「「……」」

 その後訪れる暫しの沈黙。
 それを先に破ったのはシグナムだった。

「――我々は先に着替えてきますので失礼します」

 どこかギクシャクした動きで他の守護騎士達を伴いリビングから退室していく。
 ドアが閉じたところで何かが倒れる鈍い音が聞こえる。

「うぉわ!シグナム、しっかりしろ!」
「シグナム、顔が真っ赤ね。…ザフィーラ、シグナムを部屋まで運ぶのを手伝って」
「承知した」

 声と共にバタバタと慌しい音が聞こえてきた。
 どうやらシグナムにはまだ刺激が強すぎたようだ。

「どうする、はやて?」
「…どうするもこうするもあらへんやろ」

 ため息を一つ吐くとはやては私から離れ、乱れた服を直す。
 それに倣い私もソファーから起き上がり服の乱れを直す。

「続きはあの子らが眠ってからやね。今夜は寝かさへんで」
「覚悟しておきます」

 クスクスと笑うはやて。

「さ、そうと決まったら夕飯の準備でもしよか。フェイトちゃん、手伝ってもろてええ
か」
「よろこんで」

 最後に軽く触れるだけのキスを一つして、私達はキッチンへと向かった。



 食事をテーブルに揃えたところで着替えを済ませたシグナムたちがリビングへとやってきた。
 シグナムはまだ顔が赤い。

「……なんという失態だ……」

 ちょっと落ち込んでいるようなのでそっとしておこう。

「わーい、今日はシチューですぅ!」
「リイン、まだ食うなよ」

 早速席に着いたリインの隣にヴィータが座る。

「はやてちゃん、何か手伝うことある?」
「ありがとなシャマル、でもちょうど終わったところや。もう席に着いててええよ」
「それじゃあ、先に座ってるわね。ほら、シグナム!いつまでもそんなところにいない
で貴女も座って」

 シャマルに背中を押され、シグナムが席に着く。その隣にシャマルが腰を下ろす。

「ほら、ザフィーラ」

 テーブルの隣でお座りで待機していたザフィーラの前にシチューを盛った皿を置く。
 そして、はやてのために椅子を引く。

「さ、どうぞはやて」
「ありがとな、フェイトちゃん」

 はやてが座ったのを確認してから私も席に着く。はやての隣だ。
 それを確認してからはやてが口を開く。

「みんな席に着いたな。ほな、食べよか」

 全員が声を合わせる。

「「いただきます!」」

<おしまい>



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